多系統萎縮症により申請し、障害厚生年金3級が認定になった事例

相談に来られた状況

私の友人から相談を受けました。

杉山社労士の見解

2年前くらいからつまずいたりすることが多くなるなどの症状が時折起こっていたため、検査を受けたところ、多系統萎縮症との診断を受けられました。会社を休職し、療養を続けられていたようですが、症状は少しずつ進行しているようで、歩行にもふらつきがあり、いすなどに腰掛ける際に安定感を失って転んでしまうことがある、食事の際にむせてしまうことが多くなっている等の症状が現れていました。

リハビリで通院している病院が私の良く知る病院でしたので、ソーシャルワーカーさん等を通じて主治医の先生にも相談させていただき、申請を勧めてみることにしました。

 

受任してから申請までにやったこと

ヒアリング

ご本人と奥様にご来所いただき、ヒアリングをさせていただき、詳細を聞き取らせていただきました。

 

診断書の作成

現在は、治療を受けた総合病院とリハビリを受けている病院とに通院していました。多系統萎縮症の場合には、肢体の診断書になるため、どちらの病院で診断書を作成してもらうかの検討が必要でしたが、リハビリ病院には紹介状出来ている経緯もあり、リハビリの病院で作成してもらうことにしました。

 

申立書の作成

申立書の作成については、詳細にヒアリングで伺った内容を作成しました。

 

結果

請求書を提出して1か月半くらいで障害厚生年金3級が認定になりました。

 

留意点

大脳、小脳、脳幹、脊髄の障害に応じた症状があらわれます。なかでも多系統萎縮症では、小脳の障害に起因した歩行障害から発症することが多いです。

小脳に障害を受けると体幹のバランスをとるのが難しくなるため、千鳥足のようなふらふらとした歩行をみます。両足をそろえた形で起立するのも難しくなります。そのため、体幹のバランスをとりやすくするために足を広げて歩くようになります。 また、しゃべり方にも影響が生じ、ろれつが回りにくくなります。手の障害もみられ、震える、字が書けないなどの症状があらわれます。

脊髄に障害が生じると、自律神経系の症状がみられるようになります。具体的には、尿失禁や頻尿、立ちくらみ、汗をかきにくいなどの症状が挙げられます。

さらに大脳(線条体)・脳幹(黒質)に関連して、パーキンソニズムと呼ばれる症状があらわれます。歩幅が狭くなり、動作が遅くなります。表情も乏しくなり、方向転換時に転倒をしやすくなります。多系統萎縮症では、手足の突っ張りや嚥下障害えんげ障害がみられるようになり、数年かけて悪化していくとされます。

多系統萎縮症では、病気を根本的に治療する方法は残念ながら存在していません。そのため、症状にあわせた支持療法を組み合わせて行います。

たとえばパーキンソニズム症状に対しては、初期であればパーキンソン病で使用される薬剤も有効なことがあります。ただし、時間経過と共に無効となることが多いです。小脳性の運動障害に対してはタルチレリン、尿障害には抗コリン薬や間欠的自己導尿*、睡眠時無呼吸症ではCPAPなどがそれぞれ行われます。

多系統萎縮症では、薬物治療による治療効果よりも、リハビリテーションによる治療効果が期待されています。残存している筋力を保持することで、転倒のリスクが減り、最終的に寝たきりの予防にもつながると考えられています。生活の質を長い時間維持するためにも、リハビリテーションはとても重要です

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